〈はじめて〉の話。 7
灰谷の手が履いていたオレのスウェットにかかったかと思うと、下着ごと引き下ろされた。
オレのそれはすでに勃っていた。
熱いほど灰谷の視線を感じる。
恥ずかしくてカラダ中が熱くなる。
思わず隠そうとしたオレの手を灰谷が封じる。
「オレでこんなになってんだろ」
「…バ…バカ……」
そうだよ、オマエだよ灰谷。
オマエのせいでこんなになってんの。
痛いくらい。
「あっ…」
灰谷の指がオレのモノをそっと包みこむ。
急所をつかまれたせいなのか、カラダがビクリと一瞬うしろに引いてしまう。
「怖がんなって」
怖がってはいないんだけど。カラダが勝手に反応してしまう。
灰谷が触れている。オレのを。
灰谷はゆっくりゆっくりと上下にスライドさせる。
「あッ…んッ…フッ…」
恥ずかしさと気持ちよさにオレは声を押し殺す。
耳元で灰谷の声。
「真島…ガマンするな。聞かせてくれオマエの声…」
まるでジラすようにゆるゆると動かす。
灰谷の手が…オレの……。
そう思っただけで、もう……。
でも、もっともっと…。
「ハッ…ハッ…ハッ…灰谷…オレ…ヤバイ…」
「ん?…一回出すか?オマエのイキ顔、見たい」
「なっ…はっ…恥ずかしい」
キュッと少し強めに握られる。
「あっ…」
「恥ずかしいことしてんじゃん。全部見せるって恥ずかしいぜ」
「あっ…あっ…うん」
「恥ずかしいとこ全部オレに見せてくれ。オレも見せるから」
「…うん」
灰谷はオレのカラダを起こして座らせると背中から抱きかかえる。
カラダが密着する。
灰谷にすっぽり包まれる。
灰谷の腕の中。胸の中。
灰谷の体温。灰谷のニオイ。
そしてオレの尻にあたる灰谷の前も固く熱い。
オレに感じてるんだ灰谷。よかった。
「灰谷…灰谷…灰谷」
オレはたまらず灰谷の腕に手をはわせキスをする。
「じっとしてろって」
オレも触りたい。感じたい。
灰谷…灰谷…灰谷。
「あ~もう…」
頭を持たれてぐいっと首を後ろにひねらされ、口をふさがれる。
灰谷のキス。灰谷の舌。
気持ちイイ。トケるよ。
唇を離した灰谷が言う。
「短時間にうまくなってんじゃねえよ」
ん?うまくなってんのオレ。
灰谷の手がまたオレ自身に触れる。
「あっ…」
「すんげえ勃ってきた…」
灰谷の手で優しく包みこまれた。
ゆるゆると上下に、こすりあげる。
「ハッ…ああ…んっ…」
「どこ感じる?先っぽ?」
「それとも裏か?」
裏スジを撫でられタマを揉まれる。
「ハアッ……あッ……」
先走りが出てヌチュヌチュと音がする。
シゴく灰谷の手が速くなる。
灰谷の腕にしがみつく。
「あッ、灰谷…ん、灰谷…ハァッ……灰…たにっ…んッ…ハァハァハァ…ハァ…」
快感にさからって目を開ければ灰谷がオレを見下ろしている。
その顔。その目。
本当に何もかもを目に焼きつけようとするみたいな。
オレは押し寄せてくる快感に必死でこらえながら、灰谷の目を見つめ続ける。
「ハッ…ハッ……あッ……ハッ…」
「真島…オマエの顔たまんねえ…」
興奮した灰谷の顔。
「イケよ。オレの手でイケ」
灰谷の動きが早くなる。
目を開けていられない。
「あッ…あッ…んッ…んんん…んッ…イク…」
イク瞬間、灰谷がオレの口をふさいだ。
まるでオレのすべてを飲みこもうとするように。
まるでオレのすべてを飲みこもうとするように。
オレの声は灰谷の中に吸いこまれた。